【EMConf JP 2025参加記】新卒こそマネジメントを学べ!
2025/2/27に行われたEMConf JPの参加記です。
印象に残ったセッションや参加して感じたことをまとめます。
参加するきっかけ
昨年インターンしていた際のメンターが今回のEMConf JPに大きく貢献されている@ar_tamaさんで、1on1の時に「マネジメントとか興味あるんすよね〜」とイキっていたところ、「こんなイベント今度やるんだけど来てみない?」と紹介していただきました。
新卒として社会人生活を始めるにあたって自分のキャリアをどう進めていくかは重要なテーマだったので、お仕事見学のような気持ちで参加することに決めました。
印象に残ったセッション
Potential EM制度を始めた理由、そして2年後にやめた理由
こちらはタイトルの通り、estieさんでのPotential EM制度の採用と廃止に関する発表でした。
「いきなりEMになるのは不安だし怖い」という気持ちを汲み取った素晴らしい施策だなぁと話を聞いていたのですが、後半で登場した『「信じて任せる、ができていないマネージャー側の問題では?」という言葉にハッとした』という内容に僕もハッとさせられました。
一見するとメンバーとしてのエンジニアとEMの間を繋ぐ良い施策である一方で、中間択を取ることによる中途半端さのデメリットという側面があったこともまた事実で、いつでもどこでも振りかざすことができる銀の弾丸ではないのだなと理解しました。
ただ、だからと言ってアンチパターンかと言うと一概にそうと言うわけではなく、当時のestieさんのエンジニア組織にとっては良い選択だったんだろうなと言うのは本人談でもそうですし、僕もそう感じました。
「時と場合による」と言ってしまえば月並みですが、組織の状態によっては非常に効果的な施策であり、慎重に運用されるべきものであるという理解は刻んでおきたいなと感じました。
n=1の経験が紡ぐエンジニアリングマネジメントの可能性
こちらは今回のエンディング keynoteで、岩瀬さんのこれまでの経験と生成AIを踏まえたこれからのマネジメントについてのお話でした。
内容もさることながらプレゼンが上手すぎて40分の内容にも関わらず1秒も飽きることなく聞くことができました。こんな風にプレゼンできる様になりたいです。
内容に関しては、他の方の発表やお話とも共通する部分が印象に残ったのですが、「時と場合による」「銀の弾丸は無い」「EMの仕事は不確実性に満ちている」と言うのがEMの方全員に刻まれているんだなと言うことを強く感じました。
その様な難しい環境の中で働かれているEMの方々を尊敬して止みません...
得たもの(物理)
めちゃくちゃノベルティなどを沢山頂いたのですが、その中でも嬉しかったものをピックアップします。
アメジスト(!?)
Buysell Technologyさんのブースではリユースお宝ガチャというものを引くことができたのですが、引いてみたところガチのアメジストがもらえました。なんで?
まさか技術イベントでガチ宝石を貰えると思っていなかったので驚きましたが嬉しかったです。
AirTag(!?)
サポーターズさんは就活の際にめちゃくちゃお世話になったのですが、ガチャの一等のAirTagを当ててしまい頭が上がらなくなってしまいました(?)
ちょうど3日前に財布を無くして絶望したばかり(昨日見つかりました)だったので一生無くさないように財布に入れました。ちなみにAirTagの名前は「もう絶対無くさない」です。
著者の方々のサイン
後述しますが、今回のEMConfに向けて本を2冊読んできたのですが、そのどちらの著者/訳者も参加されていたので是非!と思ってサインを頂きました。
こんなにカジュアルにお礼を言うことができるのも技術イベントならではですね。
「エンジニアのためのマネジメント入門」の著者の佐藤大典さんが、僕が付箋付きで読んでいた事にめちゃくちゃ感激してくれて、「読んでよかったなぁ」としみじみ思ったのですが、よく考えたら佐藤さん側が「書いてよかったなぁ」と思うのが正しい反応だと気づいたので無かったことにしました。
(本当は写真撮って頂いたのですが恥ずかしいので載せません。)
参加するにあたって
今回のemconfに参加するに当たって本を2冊ほど読んでみました。
と言うのも、せっかく現職のEMの方々とお話しできる機会なのに「あの〜...EMってどんなお仕事なんですか...?」の様な初歩的な質問をするのはあまりにもったいないと思ったからです。
せっかく生の声を聞けるのであれば、より深い話を聞きたいですし、EMの方々の目線に立つと「折角EMの濃い話を議論できると思ってたのに、無知な若造のせいでレベルの低い話で時間浪費したわ〜」となりそう(ならない)だったので、できるだけその場の濃度を下げないように最低限のインプットをして臨みました。
結果としてこれは大成功で、事前に「EMとは何か」をある程度理解できたのでセッションではより深く理解できましたし、懇親会では具体的な相談や質問を沢山させていただくことができました。
これも一種の締切駆動勉強だなと思ったので、知らない技術に関するイベントにも積極的に顔を出してインプットのきっかけにしていきたいと感じました。
考えたこと
2冊本を読んで、またEMConf JPに参加してとても感じたことが1つあります。
それは「新卒(メンバー)もマネジメントについて勉強した方が良いのではないか?」ということです。
というのも、過去のインターン経験を振り返ってみると、EMの方々にしていただいていたメンタリングを十分に活かせていなかったという実感があったからです。
EMがどんな目線で働いているのか、1on1での意義や求められる役割は何なのか、EMからされる問いかけにはどんな意図があるのか。
何となく頭では分かっていても腑に落ちていなかったせいで、EMからの働きかけを100%活かすことができていませんでした。
しかし今回EM、特にピープルマネジメントについての理解を深めることで、メンバーとして求められる立ち回り(所謂フォロワーシップ)をはっきりと認識できる様になりました。
ピープルマネジメントは一方的なものではなく双方の共同作業なのかもしれないと感じたので、新卒全員に上記のマネジメントの本を読んで欲しいなと強く思いました。
(抽象化すると「相手の立場に立って考えよう」なので、当たり前のことを当たり前にやる難しさを感じたりもしました。)
また今まで「視座を上げる」という言葉があんまり真に理解できている実感がなかったのですが、EMという一つ上のレイヤーの視点を持てた事によって「視座ってこういうことか」と腹落ちした感覚があって嬉しかったです。
やっぱ視座っすよね。視座。
アンカンファレンスなるものに出てみた
僕は今回初めて知ったのですが、アンカンファレンスなるものがこの世にはあるらしいのです。
意味を調べてみると
従来の会議の様なトップダウン企業、スポンサー出資、講演者報酬等の要素を除外し、幅広い参加者たちが会議を行う形式の事である。(by wikipedia)
と出てきます。
要するに「ゆるくお話ししたり発表したりしていいよの場」ってことですね。
10分区切りで誰でも枠使っていいよ〜とのことだったので、「せっかく来たし、学生の自分にしか出せないバリューがある気がするぞ!」と思って先ほどの考えたことに書いた様な内容を話しました。
↓即席で作った資料
こんなカジュアルな発表をガチEMの皆さんに聞いていただけてとってもありがたかったですし、褒めていただけて素直に嬉しかったです。
終わりに(ポエム)
本編とは関係ないのですが、最後に個人的な内省をポエって終わろうと思います。
今回のEMConfに限らず、今年度はいろんなカンファレンスに参加しました(TSKaigi2024、フロントエンドカンファレンス北海道、JSConf2024)
そこで度々こんなことを言って頂きました。
まだ学生なのにすごいね〜!
褒めて頂いてとても嬉しかったのですが、その一方で「これって大学生だから褒めてもらっているだけだよなぁ...」とも思うことも多かったです。
自分としてはあくまで「若さ、大学生ブランド」にかこつけているだけで、自分の本質的な価値を認めてもらえている訳ではないと考えてしまいました。
僕は1ヶ月後から大学生ではなくなり、社会に出て、皆さんと同じ土俵で戦うことになります。
そこでも「新卒1年目」と言うエクスキューズを背負って生きていくのはブランディングや引きを作ると言う点では良いものの、「甘え」という側面も捨てきれないとも思います。
いつか「学生なのに」「若いのに」というprefix抜きで褒めてもらえる様にこれからの社会人生活を生きていこうと思います。
著者名
やた
公開日
2025/02/27
更新日
2025/02/27
文字数
約4636字
カテゴリ
仕事